黒歴史?

はてなダイアリー - 黒歴史】をみて、ちょっとはてなに興味が出てきました。なお、私の本拠地はいまのところhttp://kiron808.exblog.jp/です。

前述の「黒歴史」ページ、なかなかおもしろい。

●●メディアの黒歴史●●
松下電器のところでDCC(デジタルコンパクトカセット)ってあったのにはウケました。カセットテープと互換をとるために回転式ヘッドが使えず、苦労して特殊な固定式ヘッドを開発したのに後が続かないなんて。しかし、松下の本物の黒歴史はVX2000じゃないでしょうか。
ソニー黒歴史も思い出しましたよ。ソニーのレコード子会社(エピックとか)が、昔、再生専用MDソフトを出してました。しかし、MDの音楽ソフトは鳴かず飛ばずで、いつのまにか消えましたね。
「エルカセット」は昔亀有公園前派出所でもネタにされてたような気がしますんで、名前だけあげとくことにします(所有してたことはありませんが、現役時代実物をさわったことはあります)。
オーディオつながりでオープンリールデッキ用のテープ規格にEEテープってのがありました。オープンリールはもともとカセットでいうTypeIテープポジション用のテープ規格しかありませんでした。具体的にいえば酸化鉄ベースのノーマルテープってヤツです。なぜかソニーはフェリクロームのDUADだしてましたが、フェリクロはTypeIでも一応使えるってことになってたので。で、カセットデッキがクロームだフェリクロだメタルだってことになってくると、オープンリールは進化してなさそうに見えるわけです。で、登場したのが、TypeIIに相当するクロームテープの規格、EEテープです。格安ノーマルテープ使っても、カセットとは次元の違ういい音がするのがオープンなんですが、何を血迷ったのか。一般向けオープンリールはEEテープが出てから後、さらに下火になっていくわけですが。

コンピュータのところの「X1Dにおける3インチFD」ってのも懐かしい。しかし、クイックディスク(QD)のエントリはないみたい。ちなみにQDっていうのは、外見は3.5インチや(3インチ)FDにそっくりなディスクメディア。フロッピーディスクは一般にランダムアクセス可能な磁気メディアなんだが、QDは磁性体を塗布した円盤にスパイラル記録する方式で、シーケンシャルアクセスメディアなのが特徴です。ま、カセットテープを代替する記録メディアといいかえてもいいですが。パソコンではシャープのMZ-1500に採用されてました。あと、なぜか電子楽器関係のデータ記録にも使われていたような記憶が。特筆すべきは、ファミコンディスクシステムの実態がこのQDだったこと。物理的にはDISK SYSTEMの刻印の部分を加えただけでしたね。

フロッピーといえば、ソニーの2インチFDも忘れてはいけません。ワープロのPRODUCEに採用されてました。採用メーカーはもちろんソニーだけ。それも、PRODUCEでしか用いられなかったはずです。

磁気メディアとは違うけど、写真フィルムのディスクフィルム規格はすっかり忘れ去られてますね。これを利用する「ディスクカメラ」より、ミノックスフィルムを使うカメラのほうがまだツブしがきくってもんです。その前に提唱された110フィルムは結構利用されていましたが。コダックは新規格を提唱するにあたり、アメリカ企業らしくもっともらしい理論武装をするわけですが、なんでもその通りに行けば苦労はしない。コダック発の規格だから信用できるってわけじゃないというのが個人的な印象ではあります。いまだとデジカメのフォーサーズなんかは、オリンパスだけががんばって・・・なんてことにならないで欲しいです。コダックは一流の感材メーカーであり、実は歴史の長いカメラメーカーでもありますが、それが写真関係のフォーマットの支配力とは必ずしも結びつかない。銀塩でもっとも成功した35mmフォーマットの源流はライカですから。

●●コンピュータ関係の黒歴史●●
マイクロソフト黒歴史なんてのもありましたね。そちらには「タブレットPC」なんてありますが、あれは黒歴史じゃないですよ。あれの本来の目的は、マイナーな存在だったバーチカル市場向けペンPCを標準化しつつ、あわよくば一般市場もゲットできればってな色気が混じってるだけなんですから。一部で話題のNECパネリーナみたいな機械がちゃんと成立してる時点で、この企画は成功してるんです。Windows for Pencomputingにも言及してるんですが、これも別に黒歴史でもなんでもない。for PenはWindows 3.1のペン拡張という製品企画なんですが、ペン対応機能はある程度Windows 95に含まれましたから(Video for Winみたいな感じですね)。
本当のマイクロソフト黒歴史・・・それはたとえばModular Windowsとかですよ。機器組み込みWindowsということではWindows CEに先駆けてますが、プロジェクトとしては連続していません。実際に市場に製品が出回ったパターンだと、これもハードメーカー向けのテクノロジーパッケージソフトとは違いますがWindows Printing Systemっちゅ大物がいます。これがどのくらい黒歴史かっていうと、泣いたヒトが多そうでとても書けない黒さ。もうちょっとほのぼのとした黒歴史ってことだとMicrosoft Bobでしょうか。ソーシャルインターフェースコンセプトをひっさげて登場したソフトであり、筆者はこれの隠れファンでソフトも所有してますが、リリース直後から商業的には失敗していた感が否めません・・・。ちなみに、Officeアシスタントは、Bobに出てくるアシスタント役の犬キャラのなれの果てでありますが、あの犬キャラほど動き回ってくれないし愛らしさもイマイチ引き継いでなくて、ちょっと寂しいものが。そういや、今やOfficeアシスタントも表舞台から消えてしまいました。そろそろ黒歴史・・・。

あ、ソーシャルインターフェース(実社会を模したユーザーインターフェースって程度の意味です)を標榜したソフトは軒並み黒歴史っぽいですね。富士通のペガサスとか、ジェネラル・マジック社のソフトとか。

Macintoshなんかだと、ゲーム用APIGAME SPROCKETSなんて、誰にも顧みられてない感が強いような。AppleWindowsDirectXにちょっと遅れて打ち出したヤツです。
ああ、Apple黒歴史といえばAPPLE IIIを忘れてはいけませんね。Newtonに関しては今だにコミュニティの活動が続いているし、オリジナルハードがそろそろ寿命になりつつあるとはいえ、エミュレータ化でまだまだ生き延びようとするムーブメントもあるようです。黒歴史というには当たらないかもしれません。

●●そのほか●●
片山豊氏といえば、いまでこそフェアレディZの生みの親ってことで普通に名前があがる人物だが、デビッド・ハルバースタム著「覇者の奢り」が出たあたりのころだと、日産にとってはまさに黒歴史扱いだったんだろうな、と思う。あの当時片山氏について紙幅を割けたのも、筆者が"ガイジン"ジャーナリストだからだろうし、日本人がおおっぴらに書籍に書ける事柄だっただろうかと思う。昨今出版されている片山氏について触れた書籍はたいてい当時の経緯も書いてあると思うが、プロジェクトXフェアレディZの回ではさすがにその点を触れてなかったな(だいたいフェアレディZ自体、現行のZ33型で初めて日産本体が製造するクルマになったのだ)。ってことは、いま黒歴史にならんでる事柄も、将来再評価されて表の歴史の1ページとして正当に扱われるようになることだってあるかもしれない。

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ああ・・・http://d.hatena.ne.jp/keyword/%b9%f5%ce%f2%bb%cb?kid=21280#game_castで、「水野美紀ストIIのCMで春麗のコスプレを披露」っちゅエントリーをしたかった(さとう珠緒やチバレーがあるのに)が・・・まだはてなダイアリー市民ではないため書き込みできないわけだが (T_T)